"家業"を持つすべての人を繋げるオンラインコミュニティ「家業エイド」|グラフトプレナー
家業を持つ人どうしがオンラインでつながるコミュニテイ「家業エイド」。継いでいる人も継いでいない人も参加可能で、情報交換や仲間づくりをすることができます。発足までの思いや、2020年6月末に発足してから約4か月間で600人を超えるコミュニティとなることができた理由を伺いました。
“グラフトプレナー”というコンセプト
グラフトプレナーでの活動
まず、“家業エイド”が誕生する前から我々は**」グラフトプレナー」という言葉をコンセプトに活動していました。日本の多くの中小企業が抱えている」事業承継」という課題への取り組みとして、」家業」に関わりのある方々(継ぐ・継がないに関係なく)を我々がエンパワーし日本の未来の為に取り組みたい**と考え、2018年の8月から活動しておりました。
「グラフトプレナー」とは、」接ぎ木」を意味する「グラフト(graft)」と」起業家」を意味する「アントレプレナー(entrepreneur)」を掛け合わせた造語です。
“家業を継がない”と決断された方にも
「家業エイド」を始めるまでに「グラフトプレナー」のイベントをこれまで18回、コラボイベントを合わせると30回ほど開催してきました。
そこでのイベントを通して、家業を持ちつつも**」継がない」**という決断をされている方が一定数いる事が分かりました。しかし、継いでいなくても(事業承継していなくても)実は家業をしっかりサポートしていたり、また新たに事業を立ち上げて家業と伴走しながら取り組まれている事例が複数ありました。そのような事例だと、事業承継という括りに入れずに商工会や国の支援を受けられなかったり、かといってデジタル系のスタートアットでない為にあまり立場が無いという状況があったので、「グラフトプレナー」という新しいコンセプトを強く打ち出し取り組んでいました。
「継ぎましょう。」ではなく「継がなくても良い。」
1000万人の”家業”に関わる人々
250万社あると言われている日本で稼働している中小企業の中で、その中小企業の社長様や御兄弟、ご子息を含めると、」家業」への関わりのある方々が約1,000万人いるのでは無いかと考えました。それに対して、実際に事業承継される方が約100万人と言われています。しかしながら、残りの900万人が関係ないということにはなりません。そのような家業に関わりを持つ900万人にもフィーチャーするように取り組んでいます。
**「継ぎましょう。」ではなく「継がなくても良い。」**というメッセージを発信し、継がなくとも家業の為に何かできることがあるのではないかと思って貰えればいいなと考えています。
継ぐ人がいないと事業として成り立たないので、「継がなくても良い。」というメッセージは、正直のところ世間の反応が怖かったです。しかし実際は反応も良く、現役の社長様に同感して頂けたりもしました。「ふさわしい人が会社を継げば良い。世襲を断ち切ろう。」と、社名の中から苗字を省き社名変更された事例もございます。
家業を継ぐか迷ったら|事業承継は後継者が羽ばたくための戦略のひとつ
オンラインで繋ぐ”家業エイド"
"家業エイド”発足への思い
クラフトブレナーで開催しているイベントは事業承継はしないけれど、家業と関わっていく事例を多く紹介してきました。「家業を継がずにビールを注ぐ」という愛媛県の方の事例では、お父様が経営されているアパレル業の会社を継がずにご自身が好きなビールを製造されており、そのビールの醸造所をお父様の運営される店舗の中に作り、結果、双方ともに支え合うことができたという事例がありました。ユニークで非常に面白い事例です。
そのようなイベントを開催しておりましたが、新型コロナウイルスの影響でイベントが開催できなくなってしまいました。また、特に中小企業にとっては新型コロナウイルスの影響を大きく受けており、まずは継ぐ・継がないに関係なく、家業のために行動されている方々を繋げるために、さらにオンラインへシフトするべく「家業エイド」を立ち上げました。 はじめは「グラフトプレナー・オンラインコミュニティ」という名前にしようかと思いました。しかし、我々が最もやりたいことは、家業に関わる方々がコミュニティを通して相互扶助(助け合い)を行えることなので、その観点から「エイド(補佐、援助、救済)」という言葉を付けたいと考え、また、多くの**“家業”**に関わる方々が集まってほしかったので「家業エイド」と命名しました。
家業の悩みを理解してもらうのは結構難しい。でも家業エイドならあなたと同じ「家業」を持っている仲間が相談にのってくれる。
今まで誰にも話せなかった家業の悩みを話してみよう。
コミュニティへの参加はこちら
クローズドなコミュニティづくり
なぜ家業エイドを」Slack」で運営しているのか
“家業エイド”を作るうえでクローズドのコミュニティであることが大前提でした。理由として、SNSなどのオープンな環境下では家業について」書かない」・「つぶやかない」という方々がいらっしゃったので、SNSのコミュニティではなく、完全クローズドの環境にしようと考えました。また、新型コロナウイルスの影響もあり今後オンラインのチャットツールが伸びるだろうと思い「Slack」というチャットツールを利用しています。
正直なところ、Slackの使い勝手はSNS等と比べると良くないですが、その使い辛さを乗り越えてでも「家業エイド」を使いたいと思いご利用頂いている」真のユーザ様」からご意見を伺い改善していくためにもSlackで取り組んでおります。
Slackとは Slack はチャンネルベースのメッセージプラットフォームです。Slack を使えば、エンタープライズグレードの安全な環境の中でコミュニケーションを取ることが可能です。
利用方法には、webブラウザからサインインして使う方法と、アプリをダウンロードして使う方法があります。アプリだと、複数のワークスペースに同時にサインインしたり、通知設定を細かく調整したりすることができます。
家業エイド登録時に送られてくる”招待メール”に貼られた”招待リンク”から参加する事が出来ます。
発足から4か月で多くのシナジーが生まれている
詳しい自己紹介を書いて頂ける方が多い事です。SNSでは絶対に書けないような**」ご自身の社内でのポジション」や」事業承継に関する悩み」**を書いてくれる方が多くて、率直に驚きで、また今後家業エイドを広げられるかもしれないと思いました。ご自身の情報を開示することで、閲覧された方が安心し、そこからダイレクトメッセージなどのやり取りが発生したり、実際にオフラインでも会ったりという事例が発生している事がとても嬉しいです。
6月末に開設してからの4か月間で、47都道府県すべての方に参加頂いており、地元を応援する空気や、同業同士でコミュニケーションが発生したりと、順調に関りが生まれているなと感じています。
家業に関わる全ての方へ
幅広い世代の方に是非ご参加頂きたい。
家業エイドに登録されている方の1/3が20代の方で、1/3が30代、4050代が1/3です。4050代で現役の社長様の考えとして、「若い方々にマインドを伝えたい」という思いが働くそうで、実際に家業エイドを通して現役社長様と若い方とのメッセージのやり取りが発生しています。そのような現役の社長様の体験談を待っている若者が家業エイドには多いです。つまり、両者が揃う事で家業エイドが成り立っていると考えています。
また、お互いに」家業」に関わりがあり、同じアイデンティティを持っているからこそ活発にコミュニケーションが発生していると思っています。なので、40~50代の方々にも是非もっとご参加頂きたいです。
「家業エイド」の今後の活動について
「家業エイド」では、現在の活動を実際に家業をお持ちの方々にお手伝い頂き、共に作り上げております。また、我々と似たような活動をされている「家業に関するコミュニティ」をお持ちの方や、家業持ちの方に役に立つようなサービスをお持ちの事業者の方と今後何か一緒に取り組みたいと考えており、今後そのようなパートナー様を探していこうと考えています。
事業承継やM&Aの支援者様ともぜひ協力したい考えており、特に、実際に家業をお持ちの方が事業承継・M&A支援事業を立ち上げたというような経歴をお持ちですと、非常に相性が良いと考えています。
梅田 裕介
家業を持つ人どうしがオンラインでつながるコミュニティ「家業エイド」を運営。47都道府県400人以上の家業持ちが集まり、継ぐ・継がないにかかわらず家業を持つ人の参加を呼びかけている。


